カクテルのさまざまな技法③

今回はカクテルの基本技法「スライス/カット」、「スノースタイル」、「スクイーズ」についてご紹介していきましょう。

◆「スライス」とは、薄切りにすることを言います。
レモンを薄切りにすることを「レモン・スライス」、オレンジなら、「オレンジ・スライス」と言います。それに対して、「カット」とは、果物を薄切りにするのではなくて、何分の1かの厚さの縦切りにすることを指します。

◆「スノースタイル」は、グラニュー糖をグラスの縁にまぶし付けて、雪のように見せるカクテルの技法です。
「スノースタイル」という呼び名は実は和製英語で、日本独自の呼び方で、本場の英語では、「rimmed with sugar(or ’salt’)」=“砂糖(又は塩)で縁取る”と表現します。

スノースタイルの手順は、レモンやライムの切り口に、乾燥させたグラスの縁の外側を当てて、1回転させます。グラニュー糖を平らな皿に広げて、そこへグラスを逆さまに当てて、グラニュー糖を付けて引き上げます。砂糖の幅は、なるべく均一になるように付けて、カクテルの美しい見た目と、風味のアクセントとなるようにしましょう。

◆「スクイーズ」は、「搾る」ことを意味し、果物から果汁を搾ることを言います。
オレンジやレモンなどを半分に切って、スクイーザーの中央にある尖った部分に切り口を当てて、左右に軽く回して搾ります。余分な果物の果肉や皮に含まれる油まで搾り出してしまわないように、果汁だけを搾るように、優しく回すことがポイントです。
(居酒屋などでグレープフルーツハイを頼むとスクイーザーと生グレープフルーツが出てくることがあるので、ご存知の方も多いでしょう。)

カクテルのさまざまな技法②

カクテルの基本技法「デコレーション」と「ピール」について説明します。

◆「デコレーション」は、カクテルを飾ったり、香りを付けたり、色彩に変化をもたせたりすることで、カクテルの個性を深めます。
スタンダードカクテルでは、材料を混ぜ合わせる比率が同じであっても、使用する材料を変えたり、デコレーションをしたりすることにより、カクテルの名前が変わるものも多いです。そのため、デコレーションを行う際は、レシピに記載されている手順に従いましょう。

もちろん、工夫とセンスによって、さまざまなデコレーションが可能なカクテルもあり、これもカクテル創作の楽しみの1つと言えます。いずれにせよ、カクテルの風味や香り、そして彩りの調和をよく考えて、カクテルを楽しみましょう。また、アメリカでは、デコレーションのことを、「ガーニッシュ」と言います。

◆「ピール」とは、果物の皮の小さなかけらのことを言います。
カクテルレシピにおいては、レモンやライムといった柑橘系類の皮を薄く切り取って、皮に含まれている芳香効果のある油を絞り、カクテルの香り付けをするために用いられます。

ピールは、レモンやライムなどの皮を、直径2,3cmの円形や楕円形に切り取って作ります。皮の白い部分まで切り取ると、苦味が強くなってしまうので、薄く切り取るようにしてください。その手順は、ピールを中指と親指で挟みながら、カクテルの表面に油が広がるように、人差し指の腹で皮を押さえて絞ります。グラスの20cmほど斜め上から、油を軽く飛ばすようにします。

また、指先で皮をひねり、カクテルに果物の皮に含まれる香りを移す技法を「ツイスト」と言います。

「ステア」

カクテルの基本技法の1つである、「ステア」についてご紹介しましょう。

「ステア」とは、ミキシング・グラスに材料と氷を入れて、バー・スプーンを使って、早くかき混ぜて作る技法です。混合させるお酒の比重が同じくらいの場合や、ドライな風味のカクテルを味わいたい場合、またシェイクすると濁ってしまう場合に用いられる技法です。

それでは、ステアの手順(右利きの場合)をご説明しましょう。

(1.)バー・スプーンを使ってステアする場合は、ミキシング・グラスの下部を、もう片方の手で押さえます。少量の材料を用いて、カクテル1杯分を作る時は、小指をミキシング・グラスの下に入れて、混ぜやすくする方法もあります。ステアしてすぐに注げるように、あらかじめグラスの注ぎ口は、左側に向けておいてください。

(2.)材料と氷をミキシング・グラスに注ぎ入れて、バー・スプーンをミキシング・グラスの内側を沿らせるようにして、すばやく回転させます。15~20回くらい回転させるのが目安ですが、時間をあまりかけ過ぎると氷が溶け出て、水っぽいカクテルになってしまうので、加減に気をつけてください。

(3.)ステアし終わったら、バー・スプーンを置いて、ミキシング・グラスにストレナーをはめ、グラスに注ぎます。注ぐ時は、人差し指でミキシング・グラスの突起を押さえて、グラスからストレナーが外れないようにします。

(4.)左手をグラスの下部に添えて、グラスを支えるように注ぎます。

「シェイク」

お酒を混ぜて飲むカクテルには、かき混ぜる技法がいくつかありますが、今回はその基本技法の1つ「シェイク」についてご紹介しましょう。

シェイクは、シェーカーに材料と氷を入れて、強く振って混ぜ合わせる技法です。
シェイクすることによって、アルコール度の高いお酒を飲みやすくしたり、混ぜ合わせにくい材料を、すばやく混合させたりするのに使います。

まず、材料と氷を、シェーカーのボディーの8~9分目ぐらいまで入れて、ストレナーとトップをかぶせていきます。シェイクしているうちに、中に入れた材料が染み出ないように、真っ直ぐにはめてください。好みの冷たさに早くなるように、すばやくシェーカーを振りましょう。

シェーカーの持ち方(右利きの場合)を説明します。

手前にトップを持ち、右手の親指で押さえて、ボディーを薬指と小指の間に挟みます。中指と人差し指はボディーに添えて支えます。左手は、中指と薬指の第一関節まで、ボディーの底にまわします。親指は、ストレナーを押さえて、ボディーを人差し指と薬指で軽く挟みます。

手のひらでシェーカーを包み込むように密着させると、手の熱が伝わって氷が溶けてしまうので注意してください。

シェーカーは、胸と肩の中間辺りの、身体の正面よりやや左側の位置で、真横から見ると水平になるように持ちます。そして、15~16回程度シェイクします。

ただし、生クリームや卵などの、混ざりにくい材料を使用する場合は、30回ほどシェイクしてください。シェーカーを持つ指先が冷たくなって、シェーカーの表面に霜のようなものが付いたら、トップを外して、ストレナーを人差し指で押さえながら、グラスに注ぎます。

カクテルの基本技法

カクテルを作る際には、各材料の容量をきちんと測ることが基本になりますが、それをどのように混ぜるかによって味や美味しさが違ってきます。今回は、カクテルの作り方の基本技法をご紹介していきましょう。

「ビルド」と呼ばれる技法は、直接、材料を飲用グラスに注いで提供する方法です。
カクテルの造り方の中では一番簡単な作り方で、すぐに作れるものがほとんどです。炭酸を入れる場合は、かき混ぜ過ぎると炭酸ガスが抜けて、水っぽくなってしまうので、バー・スプーンを使って、1,2回転軽くステアして止めましょう。

また、エキス分の高いもの(リキュールなど)を使用する場合は、比重によって、どうしてもグラスの底に沈んでしまうので、軽くバー・スプーンを持ち上げるような感じで、2回程度回して、上下を均一にしてください。

「ブレンド」は、ブレンダー(ミキサー)を使用して、材料をすばやく強力に混ぜ合わせる技法です。
この技法が用いられるのは、材料にクラッシュドアイス(砕いた氷)を入れて、シャーベット状にしたフローズン・カクテルを作る場合や、バナナやイチゴなどのフルーツを溶かして、フルーティーなカクテルを作る場合です。

本来、材料をカップに入れる順序は、レシピに記載されている順に従わなければなりませんが、ブレンドで作る場合は、先にクラッシュドアイスを入れても構いません。

また、フルーツを入れる場合は、先にフルーツを入れて、その上にクラッシュドアイスを加えると、フルーツが酸化して変色してしまうのを防ぐ効果があります。クラッシュドアイスの量によって、液状のカクテルにしたり、シャーベット状のカクテルにしたりできるので、好みにより加減することが出来ます。