カクテルの語源

「cocktail(カクテル)」というワードが初めて登場したのは、ロンドンで1948年に出版された「The Squire’s Recipes(ザ・スクァイア/レシピーズ)」という小冊子だと言われています。
このカクテルという言葉の語源にはいろいろな説がありますが、有力なのは以下の3つだそうです。

◆メキシコのユカタン半島の町「カンペチュ」にある酒場での出来事です。
バーテンダーの少年は、雄鳥の尻尾に似た形をした木の枝で、ミクスト・ドリンクを作っていたそうです。あるイギリス人がそれを見て、「それは何ですか?」と聞きましたが、少年は言葉がわからず、勘違いして「コーラ・デ・カジョ」と枝の呼び方を答えました。そして、これを英語にそのまま訳した「Tail of Cock」が、「cocktail」に変化したと言われています。

◆アメリカ独立戦争のさなか、ニューヨーク市北にあるイギリス植民地のバーでの出来事です。
女主人は、反独立派の大地主が住む邸宅から雄鳥を盗み、それでローストチキンを作って、独立軍の兵士に与えました。その時、ミクストした酒の入っていたビンに、雄鳥の尻尾を差していました。独立軍の兵士は、それを見て、その雄鳥の正体がわかり、「カクテルばんざい」と叫んだことから、ミクストした酒のことを「カクテル」と呼ばれるようになったそうです。

◆ニューオーリンズでオープンした薬局の看板商品は、ラムベースの病人用の卵酒でした。
そして、フランス人は、その飲み物を「コクチェ」と呼ぶようになりました。その後、病人だけでなく、一般の人のファンも増えていき、混ぜ物をしたコクチェのような飲み物を「コクテール」と呼ぶようになったそうです。

どの説が本当なのかはわかりませんが、どれも決め手を欠くようですね。

カクテルの歴史

お酒に何も混ぜないで、そのまま飲む飲み方を「ストレート」と言うのに対して、酒や飲料などを数種類混ぜ合わせて作るミクスト・ドリンクを総称して「カクテル」と呼びます。
そうしたカクテルは、世界で3000~5000種類もあるそうで、チューハイやサワーなどもカクテルの一種です。

お酒を混ぜて飲むカクテルの歴史は、お酒の誕生と同時期にまで遡ります。

はるか昔の古代ローマでは、ワインに混ぜ物を加えて飲んでいたそうです。
また、古代エジプトでは、ビールの中に、ショウガやハチミツを混ぜ合わせて飲んでいた記録があります。12~17世紀の中世ヨーロッパでは、スピリッツ類やワインなどに、薬草などを加えて、ホットドリンクとして暖めて飲むのが一般的でした。

その後、蒸溜酒技術の普及につれて、レシピが増えていき、社交界でもカクテルが飲まれるようになりましたが、この頃カクテルに使用していた氷は、湖や川などに自然に張ったものを使用していました。

器具を使用して、氷で冷やして作る現代式のミクスト・ドリンクのカクテルは、製氷機が発明された1879年以降になります。
カクテルが最初に花開いたのはアメリカで、第一次世界大戦とともに、アメリカ人が世界に普及させ、第二次世界大戦が終わる頃には、ヨーロッパでも飛躍的に発展していきました。

日本に入ってきたのは明治初期のことで、「カクテル」という呼び名が、東京の人々に知られるようになったのは、大正元年に、バーが下町に出現するようになってからのことです。